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和食厨房・如稲(いね)/福山市  仕出し(法要・お祝い・弁当・パーティ・オードブル)、会席、出張料理、ご贈答、お届けグルメ

吉備後国「旬の食楽」。地元素材・季節の素材を大切にした郷土・福山の食、日本伝統の節供料理情報等楽しくて役立つ食情報をお届けします。。

秋まつりと言えば「うずみ」

「うずみ」の季節到来


福山・備後地域も秋のお祭りの季節になりました。
当地では秋まつりの郷土食と言えば「うずみ」になりますが、地元の人にも意外に知られていないのが現状です。

今年は福山青年会議所等が、福山の郷土料理発掘を目的に「うずみ」にスポットを当て、
ご当地グルメに育てる活動が行われています。
同会議所の働きかけで市内の飲食店に多くの「うずみ」メニュー加わり、
「うずみ」を提供する約40店のお店を紹介するうすみマップも作られました。

如稲(いね)の「うずみ寿司」は、
こうした動きに先駆けて平成22年3月25日、福山らしい手土産をつくりたいと言う思いから、
新店開店(現店)と同時に発売をはじめました。
伝統的なうずみを「手土産・お茶請け」になるよう、金糸をたっぷり乗せ、
魚貝具がたくさん入った少し贅沢な薬味寿司にアレンジしています。
金糸は神石高原町の有機飼料で育てた平飼いの鶏の玉子(田辺ファーム)、
お米は神石高原町の有機米を使用しています。
お陰様で手土産やお祝いの品としても喜ばれ、お求め頂くお客様が少しづつ増えています。

伝統的なうずみ汁は、福山で一番古くからメニューに加えられいた「おばんざい木村」
(女将・木村弘子さん)の「うずみ」がおすすめです。

秋祭りに、ご家族とご一緒に福山の郷土料理「うずみ」をぜひお召し上がりください。


●山陽新聞/平成22年9月24日に掲載された、福山の郷土料理「うずみ」特集。
 如稲のうずみも左上に大きく紹介されました。
うずみ記事



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福山の郷土料理のテーブルから

福山の郷土料理のテーブルから

 福山で開かれた郷土料理の会の料理をさせていただいた。あらためて福山地域の食材や料理について考える機会を与えていただいたと思う。
 普段はなんとなくではあっても、できているつもり・・・けれど、他地域からのお客様をお迎えし、それも、郷土料理を食べ歩いておられる方ばかり。
 知らないではすまされない・・・でもひらきなおってやってしまいました。



●鞆の浦の旅館「御舟宿いろは」ではビュッフェスタイルで(出張料理)
 鞆の浦の旅館「御舟宿いろは」は幕末の志士坂本竜馬ゆかりの町家を改修、アニメ映画監督の宮崎駿さんが設計図のデッサンを描いた「御舟宿いろは」
iroha ryouri



●福山城・福寿会館
 福寿会館は和と洋の建物があり、福山の迎賓館。福山市の公共施設でだれでも低料金で使用することができる。茶室もあり、整備食事会、色々な会やイベントにも使用できる。
◎福寿会館内部
fukujyu  naibu

◎福寿会館外観
fkujyukaikan

◎福寿会館からはお城が望める。また和式庭園も楽しめ、茶室もある。
fukuyama oshiro




福山の郷土料理
          
店主 茭口直美 Komoguchi Naomi

 福山の郷土料理と問われると、つい「鞆の浦の鯛網」とセットで「鯛料理」と言いたくなるのですが、残念なことに名物となるような鯛料理はありません。土鍋に20センチ位の小型の鯛を入れて、お米と一緒に炊き込む「鯛めし」や、新鮮な鯛の薄い切り身をご飯の上にのせてつくる鯛茶漬けを出す料理店があります。が、それは新鮮な魚がとれる港町ならどこにでもある料理で、特別な料理とは言えません。当地のものは勿論新鮮で美味しいのですが、福山らしい独特の料理?と聞かれると、少し返事に困ります。

 福山は瀬戸内海の丁度中央に位置し、沿岸には数多くの島があります。それに付随する干潟、砂浜、藻場などに恵まれた海は、魚貝の絶好のすみかであり産卵場所でもありました。観光鯛網が行われる鞆の浦の周辺は魚介類の宝庫でした。5~6月頃になると鞆港沖合の海は産卵期を迎えた鯛等で魚山ができ、網が破れるほどの大漁が続いたと言います。魚種も多くサワラ、平目等の高級魚をはじめ、メバル、カワハギ、サヨリ、地エビ等の小魚。貝類もアサリ、サザエ、まて貝などが豊富で、価格も安く、一般家庭の食卓を賑わせたようです。しかし、10年ほど前から当地の漁獲も、瀬戸内の他地域と同じように激減し価格も急激に高くなっています。

 その典型的な例がシャコです。30年ほど前は魚市場でトロ箱がおまけ(無料)でもらえたと聞きますが、今や普通サイズ1尾が100円以上もするようになりました。その上、地物はほとんど獲れず品薄で、市場や魚屋さんも輸入物に頼らざるを得ない状況です。
 両親が福山駅前で経営していた和食店の、人気メニューの一つが「シャコの七味焼き」でした。シャコを特製の醤油だれで焼き七味をきかせたもので、酒の肴として絶大な人気があり、子供さんも好きな料理でした。8年ほど前ですがシャコ5尾で700円でした。これは父譲りの名物料理として、私の厨房でもお出ししています。残念なことは現在では地物を使うと、高級料理並の価格になってしまうことです。今までの価格で提供しようとすると、どうしても輸入物になってしいます。

 こうした中で、郷土の魚料理としてご紹介できるのは「ネブト料理」だけかも知れません。ネブトは体長3~4センチの白身の小魚です。備後では他に石かべり・石もち・念仏鯛・メブトなど様々な名前で呼ばれます。正式な名前は天竺鯛です。現在でも福山沿岸で地物があがり、旬にはスーパーや魚屋さんに沢山並びます。名前の通り、頭の部分は石のように堅くて食べられません。料理で最初にすることは、この頭外しと鱗取りです。
 主な献立に、高温のサラダ油で外カリ・中ヤワに揚げ、塩で食べる「唐揚げ」。唐揚げを七味等で甘辛く味付け、酢漬けにする「南蛮漬け」。骨ごとすり身にして塩を加えて天ぷらにする「ガス天」等があります。唐揚げは酒の肴、南蛮漬けはホカホカご飯のおかずに、ガス天はちょっと炙ってどちらでも・・・! 両親の店でも12~3匹入りのネブトの唐揚(350円)が一番人気でした。 
 沿岸部の人達にとって「ネブトの南蛮漬け」はおふくろの味。都会に出ている息子や娘から「ネブトを送ってくれー」のリクエストが多いそうです。

 他に良く知られるものとして「うずみ」という郷土料理があります。稲の収穫後の秋祭りの席で食べられたものです。銀しゃりの中に松茸やエビといった煮物のご馳走を「うずめて」隠してある料理です。一見すると椀には白飯だけのように見える、隠れたおかずをほじりながらに食べる丼の一種です。
 この原稿を書くために調べた郷土料理の本には、雨が少なく干魃の多かった備後地域は、江戸時代の庶民の主食が「さつま芋」であったことが述べられていました。郷土料理のルーツや風土をみつめ直すいい機会を頂き感謝します。
※料理をさせていただいた、郷土料理の会のための原稿から(2009年)